宝石をとるとき、人は道を引いている

宝石研究会のエアプ会長、あるみです。周りの成長を感じるけど漏れは、、、

でも今はそんなことより単位と内定だけがほしいッス!!!

 

 

例のsplendorのブログに「そして第二に、中盤以降、トークンを3枚取るプレイに比べて、0点宝石を取るプレイのほうが効率が悪いから。というのも、中級者以上のプレイヤーは、4人対戦だと7~9枚、3人対戦だと8~10枚、2人対戦だと9~11枚ぐらいで15点を稼ぐからです」という記述がありました。

 

太字の部分には全面的に同意するし、人数が減るほどアガリまでの必要枚数が増えるのもわかる。けどよぉ、4人対戦で7枚でアガるってのはどういうことなんだよ。この文言の違和感があまりに強烈なので、今回はまず7枚であがるという話は現実的なのかを探っていきたいと思います。

 

得点カードは1~5点があります。通常ゲーム中に獲得できる4点ないし5点カードは1枚ないし2枚。たしかに2枚取れればたった2枚で8~10点取れます。

もしうまく2枚で10点が取れたとして、残り5枚で5点を取ります。

レベル2のカードでうまく3点と2点が取れたとすると、レベル1を3枚とってたしかに7枚で15点に行きます。

もし2枚で9点取れた場合はレベル2で3点を2枚ないし、2点を3枚とればいいと言っているのでしょうか。

 

なるほど、たしかに理論上その枚数で得点を重ねることが可能なようですね。そこでアプリ版を使って実際にゲーム中に適うのかを試してみました。

この記事を書いている段階ではまだそこまでの試行数がありませんがたしかに取得カード7枚であがることができました。しかし失敗することも多かったです。理由を挙げてみます。

 

①アプリ版でcpuを相手にしているから特有の現象

 cpuの多くが戦略として資源量ビート*1を選択するため盤面の動きが多く、中盤以降 宝石が貯めこまれるために宝石が枯渇していることが多々ある。

人間相手の場合、効率のよい単色5や単色7などが狙われやすく、特定色がいくつか枯れることは多くともほぼ全色枯れているという盤面はなかなかにない。

 

②敵からの妨害に弱い

 先ほども言ったように効率がいいカードには特定色を多く要求してくるものがほとんどです。そのため周りからみれば溜めているトークンからどのカードを狙っているのかが非常にわかりやすいです(だからこそキープというのが存在するわけですが)。

cpuにはいくつかタイプがあるわけですが、あるcpuは妨害を多分に行ってきます。こちらが狙っているカードが取りやすいようにカードを伸ばしているわけでもないのにキープしてきます、それも何度も。おかげでそのcpuは特別点数が低いわけですが。

人間相手はもっと厳しいです。そもそも効率のいいカードは人気が高いために自分の番がくるときに盤面に残っている可能性は高くないし、露骨に色を染めていれば周りの3人は容易に妨害ができます。欲しいカードをキープしなければおちおちトークンも溜められません。

では取るカード取るカードキープしていれば安全にとれるわけですが、そこにキープの弱さが出ます。自分のカードを確保するためだけのキープという行動はアガリを0.5ターンほど遅らせます。これを何度も繰り返していると要求トークンの少ないカードを狙って獲得して早いアガリを目指しているのに、カードの強さを殺してしまいます。

 

以上のような理由から現実的に7枚という枚数で上がり切られた場合、幾分か上がられている側の落ち度があると思われ、ある程度わかっているプレイヤーが集まっている場面では起こりえないでしょう。

(それでも無理のない範囲で効率のいいカードを獲得していく戦略は十分に機能します)

 

 タイトル回収

妨害への強さ、盤面の変化への対応力をわたしはまとめて「対応力」と呼んでいます。そして重ねていく色の数が多いほどこの対応力が上がっていきます。5色で行う資源量ビートが最も高く、一色のみを伸ばしていく、あるいはレベル1をそもそも取らないような戦略は対応力が低いといえます。この対応力と手の速さのバランスをとることは重要です。

 

ややこしいですが、この対応力を高低をしばしば「道の幅」で表現します。広い道では道に穴が開いたり片側通行になっても先に進めますし近道が繋がる可能性も高いです。しかし狭い道では立ち尽くし、目的地までの別の道をまた探すことになりましょう。

だからといって広ければよいというわけでもありません。広い道を引くのは大変です。目的地に向かっているのはあなただけではないので既に他の人が道を引いていたり、資金が足らず工事半ばで頓挫します。

「道」の概念を導入するメリットは自然と取得カード間の繋がりを意識するように誘導できる点であると思います。これは特に初心の人に見られがちな、どのようにカードをとっていくべきかわからず迷子になっている状態からの脱却を目指すときまず必要になります。

ある程度慣れてからもこの道の概念は宝石の選択や点数の算段をつける際に役に立つでしょう。道は一定の幅を保っていなければいけないわけではなく、時には非常に広くゆったりと時には最短を一筋に進む時があったり、盤面の様子によっても幅は変化します。その時々に応じた適切な道を引くことができれば、効率よく勝利に向かえます。

上記の判断を行う際にこういったイメージというのは思考の結果を簡便にまとめるのを助けてくれるのではないでしょうか。

 

 

話は変わるようですが例のブログには「初手で予約*2するのは、定石中の定石」という文言があります。

 

初手からのキープの強さというのは強力な得点源の獲得、周囲への色の宣言(進んで色を被せるのは上家くらい)という2点についてたしかな強さがありますが、私はその1ターンで細くなる道ゆえにあまり好みません。

色を宣言することは他を払う効果もありますが、その色が盤面において強力すぎると判断された場合必ず妨害を食らいます。宝石では特定色がしばらく登場しないということ(クソゲー)がしばしば起こるため、もしレベル1を押さえられ、以後その色が鳴りを潜めたとき、得点源ははるか遠く周りからは出遅れがちです。

つまり初手からのキープが安定となるほど強力であるのは盤面ゆえに細くなっても十分に広い道が確保されるときでしょう。もう少し具体的にいうと、あまりに1色でレベル1が埋まっているとき、複数色が強力な盤面でスタートダッシュを抑えきれない場合などが考えられるます。

それでも!!!わちは、、、、

特定色がしばらく登場しない(クソゲー)展開を考慮するなら宝石トークンをある程度獲得してレベル1カードをとれるようになるまでは道を広くとって確実に基盤を作るのが大事故の少ないプレイングであると考えています。序盤事故で即負け確が嫌いなのでこのスタンスをとってますが、スタートダッシュでうまく風に乗れる人はキープが強いと思います。

 

このように初ターンの行動でさえ、同じ状況でも人によって判断は異なります。自身の行動の特徴をつかむうえでも、他人の進行状態をつかむうえでも役に立つ「道」という概念を導入してみてはいかがだろうか。また、そのうえで様々な道の引き方を覚え、適切に選択することができれば勝率は着実にあがるのではなかろうか。

(思考を簡便にする方策であり、実際の終盤では実際にターン数を数えることも重要です。)

 

次回以降の記事は

・最短ルートの探索的検討(はよやれ)

・色の選択と脇道の必要性

・宝石プレイ時の思考のタイミング

などを予定しています。

 

また、現在宝石研究会のメンバーを募集しています。

現状、活動日活動場所不定で各自の希望するタイミングで呼びかけることになっていますがsplendorをはじめてみたい方、もっと勝てるようになりたい方が集まると嬉しいです。オンライン版のsplendor(アプリ版、Steam版、1000円程度)での対戦も可能ですのでご気軽にどうぞ!

質問、希望等はTwitterで@Asahina_Arumi までお願いします。

 

*1:レベル1カードを多めにとる戦略

*2:本ブログではキープ